

下条令子(げじょうれいこ)と申します。建築設備エネルギーラボ合同会社の代表を務めております。
建築設備って、みなさんの生活に密着しているものなのに、多くの方が設備のことをよく知らないし、知らないことで損をしている。そんな現状をどうにかしたくて「建築設備の知見へのアクセス格差をなくす」をキャッチフレーズに、これから建築設備についての情報をわかりやすく発信していこうと考えています。
「建築設備の知見へのアクセス格差をなくす」というこの言葉、私が石川イノベーションスクールの第7期生として、ビジネスプランプレゼンテーション2025に登壇するにあたり本番の3日前にしぼり出した言葉です。大規模な建物だと私たちのような設備コンサルも協力して、設備が最適な状態で使われるように多くの工夫がなされているのですが、中小建物の設備は、ただ壊れるまで使われ続けるだけ。どうしてこんな差が生まれるのか。もちろんお金があるかないか、ということも大きいのですが、そのお金をどんな風に使ったら何が起こるのかを知っている大規模組織と、知らない中小企業あるいは一般市民、という構図があるように思うのです。これって、建築設備の知見にアクセスする方法を知っている者とそうでない者との格差で、こういう差はなくなった方がいいよな、というのが私の考えです。
建築設備の知見と一口に言ってもたくさんあるので、例えば、これから建物を建設しようとする時に必要な知見と、稼働している設備を最適に運用するために必要な知見、という分け方ができます。また、大規模建物で重要とされる知見が中小建物ではあまり必要ない、ということもあります。そして私、この業界に40年近く携わっていても、設備のすべての知見を持っているわけではありません。ただ、私は知見へのアクセス方法を知っていて、それをみなさんに説明できる基礎知識を持っている。だからこそ、私がみなさんと建築設備との懸け橋になるような、そんな情報発信を目指します。
知見へのアクセス格差を考えるとき、私の場合、介護の話を避けては通れない。仕事を続けながら介護をしたこの15年の経験を、まだ現在進行中ですので書き難いこともあるのですが、ひとつの事例としてみなさんに届けられたらと考えています。
それではこれから、どうぞよろしくお願いいたします。