新品のビルより、調整(チューニング)されたビンテージ。エネマネは「建物の鳴り」を育てる技術。
【人生の省エネ論】サスティーンを響かせるために、私は「雑音」をミュートする。
はじめまして。下条令子(げじょうれいこ)です。
これまで何度も書いては消し、書いては消してきたブログを、今日、改めて再始動します。なぜ今なのか。それは、私の中でバラバラだった2つの世界が、カチっと音を立てて繋がったからです。
私は10代の頃、ドラムを叩いていました。今はアルターブリッジというバンドを愛し、エレキギターを弾いています。 実は私の音楽の原点はもう少し古く、ヤマハ音楽教室の幼児科から11年間、クラシックやポピュラー音楽の基礎を徹底的に体に叩き込みました。
そして仕事では、長年「建築設備士」として、設計・監理の現場で泥にまみれてきました。 現在はその経験を活かし、建物のエネルギー運用を最適化する「エネルギーマネジメント」のコンサルティングを主戦場としています。
一見、無関係に見えるこの2つ、「建築設備」と「音楽」。でも、私の中では完全にリンクしています。
ボーカル(意匠デザイン)がどんなに華やかでも、ドラムとベース(設備・構造)がモタついていたら、その曲は聴けたものじゃありません。 逆に、リズム隊が鉄壁なら、その音楽は強烈なグルーヴを生み、人の心を震わせます。
建物も同じです。 どれほど外観が美しくても、空気がよどんでいたり、水回りが使いにくかったり、エネルギーを垂れ流している建物は「良い建物」とは言えません。 設備とは、建物の「生命維持装置」であり、そこで過ごす人の時間を支える「リズム隊」なのです。
しかし、残念ながらこの「リズム隊」は、壁や天井の中に隠れていて見えません。 だから多くの現場で、設備は後回しにされ、トラブルになり、余計なコスト(手戻り)が発生します。
「なんでわかってくれないの?」ずっとそう思ってきました。でも、気づいたのです。 見えないものを「見ろ」と言うほうが無理なんだ、と。
だから、私は決めました。 私が、その「見えない声」を翻訳しよう、と。
設計図の線の意味から、設備運用のコツまで。難解な専門用語を、誰もがわかる言葉に変換する。 「省エネ」という言葉を、「我慢」ではなく「未来への先回り(投資)」として再定義する。 そうやって、建築設備の知見へのアクセス格差をなくすことが、私の新しいミッションです。
このブログのタイトルは、私の敬愛するOriginal Love・田島貴男様の伝説的パフォーマンス「ひとりソウルショウ」への、最大限のリスペクトとオマージュを込めて名付けました。
田島さんがたった一人で熱狂のグルーヴを生み出すように、私もこのブログというステージで、建築設備というマニアックな世界を熱く語り尽くしたいと思います。
現場で起きるトラブルの「真犯人」探し
設計図に隠された「意図」の読み解き方
そして、定時で帰るための「省エネ思考」
そんな話を、ヤマハ仕込みの理論とロックなビートに乗せてお届けします。 建築関係の方も、そうでない方も、建物の裏側で鳴っている「重低音」の面白さに、少しだけ耳を傾けてみてください。
ようこそ、Reikoのバックステージへ。